2023.10.03
こんにちは、abcデンタルクリニックです。
仕事や旅行などで飛行機を利用する方も増えているかと思いますが、治療をしていないむし歯がある状態で飛行機に乗ると、歯が痛む可能性があるのをご存じでしょうか。
●むし歯とは●
むし歯とは、プラーク(歯垢)中のむし歯原因菌が産出する酸により、歯が溶ける病気です。初期段階ではエナメル質だけが溶かされますが、むし歯が進行して象牙質や歯髄(歯の神経)にまで達するころには強い痛みを感じることがあります。
●飛行機における高度と気圧の関係●
大型の飛行機は通常10,000m程度の高度で飛行しており、外気圧は地上の5分の1程度です。そのため、機内の気圧を標高2,500mと同程度の0.8気圧に調整して、機内の気圧と中耳の気圧が同じになるように保たれています。飛行機が着陸する際にも、なるべく気圧が急激に変化しないようにゆっくりと気圧を上げていくようになっていますが、どうしてもその変化で歯に痛みを生じたり、耳に違和感が出ることはあります。
●飛行機に乗るとむし歯が痛む原因●
飛行機に乗るとむし歯が痛むのは、気圧の急激な変化が原因です。外部の気圧が下がると、「歯髄腔」とよばれる歯の神経が入っている空洞との気圧差が生じます。すると、歯髄腔の中の空気が膨張して歯の神経に刺激を与え、痛みを感じるのです。このような事象を、気圧性歯痛や航空性歯痛ともいいます。むし歯が進行している場合や、すでに歯の神経の治療を開始している場合には痛みを感じやすい可能性があります。
●まとめ●
このように、気圧の変化が生じることにより、歯の神経が刺激されて痛みを生じることがあります。飛行機に乗っているときに起こる歯の痛みに対処することはなかなか難しいことなので、できるだけ痛みを生じないようにお口の中の環境を整えておくことが大切です。むし歯を予防するためにも、毎日の丁寧な歯磨きに加え、定期的なクリーニングや定期検診を欠かさないようにしましょう。
投稿者: