2025.08.01
こんにちは、abcデンタルクリニックです。
「親が総入れ歯だったから、私も将来はそうなるかも」「子どものころから虫歯が多くて、きっと遺伝なのだろう」といった声を聞くことは少なくありません。けれど実際には、「歯の健康=遺伝」という考え方は、必ずしも正しくはありません。近年では、50代前後で歯を失う方が増えている一方で、80歳で20本以上の歯を保っている人も珍しくない時代です。これは、歯の寿命が個人の努力次第で大きく左右されることを示しています。今回は、歯の寿命は遺伝と関係するのかについてご紹介します。
遺伝は3割、7割は生活習慣で決まる
歯並びや顎の形といった先天的な要素は確かに遺伝しますが、むし歯や歯周病といった疾患の多くは後天的な環境に大きく左右されます。歯のトラブルは、遺伝が3割、環境が7割といわれており、たとえ親が総入れ歯でも、日々のケア次第で歯を残すことは十分に可能です。つまり、遺伝を理由に歯の状態を諦めてしまうのは、少しもったいない考え方なのです。
「歯が悪いから」は、何が悪いのか?
「歯が悪い」という表現には、さまざまな意味が含まれているかもしれません。むし歯が多い、歯周病が進行している、抜けた歯がある、などが挙げられます。これらの多くは、細菌による感染症として引き起こされているのです。特に注意が必要なのが歯周病で、これは歯の表面ではなく、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。本人に自覚がないまま進行し、健康な歯まで一度に何本も失ってしまうこともあるのです。
痛みがないからこそ、見落としやすい歯周病
歯周病は自覚症状に乏しいのが特徴です。そのため、歯ぐきが腫れている、歯みがきで出血する、歯がぐらつくといった症状が出たときには、すでにかなり進行していることも珍しくありません。特に40代・50代以降の方で「気づいたら歯が抜けそうだった」「いつのまにか歯が減っていた」といったケースも珍しくありません。
歯を守るには、対処と根本治療の両立がカギ
「年だから」「遺伝だから」と思ってケアを怠ってしまえば、歯の状態はどんどん悪化していきます。しかし、逆にいえば今からでも「歯の悪さ」を改善する道はあります。歯を失わないためには、
・定期的な歯科検診
・正しいブラッシング
・食生活の見直し
といった日々の習慣が何よりも大切です。
まとめ
親が入れ歯だから自分も…という時代は、もう過去の話です。歯の健康寿命は、自分自身の努力とケアで延ばせる時代になっています。「歯が悪い」は遺伝のせいではなく、生活習慣の積み重ねの結果かもしれません。これ以上歯を失わないために、そしてこれからの人生を自分の歯でしっかり噛んで楽しむために、まずは現在の口腔状態を歯科医院でチェックしてもらいましょう。
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