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なぜ人間だけがむし歯になるのか?

2025.06.02

こんにちは、abcデンタルクリニックです。

毎年6月4日から6月10日は、「歯と口の健康週間」として、歯の大切さを見直す機会となっています。「なぜ人間だけがむし歯になるのか?」という素朴な疑問を抱いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。今回は、なぜ動物はむし歯にならず、人間だけがむし歯になるのかについてご紹介します。

●食生活の変化が大きな原因
実は、自然界の多くの動物たちは、むし歯にはなりにくいと言われています。それに対して人間だけがむし歯に悩まされる理由には、私たちの生活習慣や進化の過程が大きく関係しています。最も大きな理由は、人間の食生活の変化です。多くの動物たちは本能に従って食べ物を選び、加工されていない自然な食物を食べています。

一方で人間は、火を使うようになり、さらに農耕・牧畜を始めたことで穀物や加工食品、砂糖を含む甘い食べ物を大量に摂取するようになりました。特に砂糖は、むし歯の原因菌であるミュータンス菌の大好物です。砂糖を摂取すると口腔内の菌が酸を作り、歯を溶かしてしまいます。つまり、現代の食生活が、むし歯を引き起こしやすい環境を作り出しているのです。

●顎や歯並びの進化による影響
人間の歯は、進化の過程で大きな変化を遂げました。かつての人類は、固く繊維質の多い食べ物を噛み砕くために大きなあごを持っていましたが、火を使い、柔らかい食べ物を食べるようになったことで、次第にあごが小さくなっていきました。その結果、歯のサイズとあごの大きさのバランスが悪くなり、歯並びが乱れる人が増えたのです。歯並びが悪いと歯磨きが難しくなり、プラーク(歯垢)がたまりやすくなります。これもまた、むし歯のリスクを高める要因となっています。

●人間は長生きするからこそむし歯になる
動物たちは多くの場合、比較的短い寿命で生涯を終えます。一方、人間は医療の発達により寿命が延び、80年以上生きることも珍しくありません。長い人生の中で歯を使い続けるため、

・歯の表面がすり減る
・歯の再石灰化(修復力)が追いつかない
・加齢とともに唾液の量が減る

といった理由で、むし歯ができやすくなるのです。つまり、人間は長く生きるからこそ、むし歯のリスクと向き合わなければならないと言えるでしょう。

●まとめ
人間だけがむし歯になる理由には、食生活、進化、寿命の長さといった、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。しかし、むし歯はきちんとケアすれば防ぐことができます。「歯と口の健康週間」をきっかけに、今一度、ご自身の歯のケアを見直してみましょう。

投稿者:abcデンタルクリニック

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