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痛みがないから大丈夫、ではない歯周病の正しい知識

2025.06.16

こんにちは、abcデンタルクリニックです。

歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因でありながら、正しく理解されていないことが多い病気です。「痛くないから問題ない」「高齢者だけの病気」など、誤った認識のまま放置してしまうと、気づかないうちに歯を失ってしまうリスクが高まります。今回は、歯周病にまつわるよくある誤解と、それに対する正しい知識を整理してご紹介します。

●痛くないから歯周病ではない?
歯周病は「Silent disease(静かな病気)」と呼ばれるほど、進行しても自覚症状に乏しいのが特徴です。痛みや違和感がないまま進み、歯がグラグラし始めた頃には、すでに歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまっている不可逆的な段階に達していることも珍しくありません。この段階でもなお痛みを感じない方もおり、「痛みがない=健康」という認識は非常に危険です。

●歯周病は高齢者だけの病気?
「歯周病は年を取ってから」と思われがちですが、実際には30歳以降から発症率が上昇し、55~64歳がもっとも進行しやすい年齢層とされています。65歳以上になると、歯周病によってすでに歯を失っている方が増えるため、患者数自体は減少傾向にあるのです。つまり、中年期こそ歯周病予防が重要な時期だといえます。

●毎日歯みがきしているから大丈夫?
「毎日きちんと磨いているから安心」という方でも、実際にプラークチェックを行うと、磨き残しが見つかることがよくあります。また、歯ブラシだけでは口腔内全体の約40%しか清掃できていないというデータもあります。歯間ブラシやフロスを併用するなど、より効果的なケアが必要です。

●歯ぎしりも歯周病を悪化させる
歯周病の主な原因は歯周病菌ですが、歯ぎしりや食いしばりによる過剰な力も歯ぐきや骨にダメージを与え、病気の進行を助長します。特に奥歯は影響を受けやすいため、ナイトガード(マウスピース)を使用する、作業中に歯を食いしばらないようセルフコントロールするなどの対策が有効です。

●むし歯が少ない人でも歯周病になる?
「むし歯がほとんどない=歯が強い」というイメージを持たれがちですが、必ずしも歯周病に強いわけではありません。むしろ、むし歯が少ない方は歯周病菌の保菌量が多い可能性があるとも言われています。また、歯科受診の機会が少ないため、歯周病が進行していても気づかないことも少なくありません。そのため、むし歯がなくても定期的な歯科検診は欠かせません。

●まとめ
歯周病は痛みがないまま進行し、気づいたときには手遅れになることも少なくありません。正しい知識を持ち、定期的な検診とセルフケアを徹底することで、歯を守ることができます。「自分は大丈夫」と思わず、ぜひ一度歯科医院で歯ぐきの健康チェックを受けてみましょう。

投稿者:abcデンタルクリニック

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