2025.10.15
こんにちは、abcデンタルクリニックです。
ある調査では、健康面で最も後悔されていることの第一位が「歯」に関することだったそうです。年齢を重ねてから歯を失うと、その不便さや全身への影響を実感し、後悔の念が強まります。今回は、その代表的な原因である歯周病についてご紹介します。
世界で最も蔓延している病気は歯周病
2001年、ギネス世界記録で「最も蔓延している病気」と認定されたのが歯周病です。実際、世界中の人が歯周病菌に感染しているといっても過言ではありません。歯周病は「歯肉炎」と「歯周炎」に大別されます。前者は歯ぐきに炎症が起きた初期段階で、適切なケアで改善できます。しかし進行して歯周炎になると、顎の骨にまで炎症が及び、歯がぐらつき、やがて抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
若くても歯周病菌に感染している?
「歯周病は中高年の病気」と思われがちですが、実は10代後半から20代ですでに感染が始まっているケースが多く見られます。歯周病菌は唾液を介して人から人へと伝わり、特にキスや食器の共有、大皿料理などから感染することがあります。中でもP.ジンジバリス菌と呼ばれる菌は、他の菌を操って勢力を広げる強力な性質を持ち、歯周病の進行を加速させる最恐の菌とされています。
出血は要注意!初期サインを見逃さない
歯磨きのときに歯ぐきから血が出ることを「磨きすぎ」と思っていませんか?実際には、炎症によって弱った歯ぐきからの出血であることが多いのです。特に20〜30代で出血が続く場合は注意が必要です。若いうちは体の防御力が強いため発症に至らなくても、毒性の強い菌に感染していると、早くから重度の歯周病を発症することがあります。出血は放っておいていいサインではなく、要注意の警告と捉えるべきです。
歯周病は口だけでなく全身の病気にも
歯周病は単なる口の中の病気ではありません。研究により、歯周病が認知症や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞など100種類以上の全身疾患と関わっていることが明らかになっています。例えば歯周病菌が血管を傷つけると動脈硬化を進め、血栓を引き起こすこともあります。つまり歯周病の予防は、歯を守るだけでなく「命を守る取り組み」でもあるのです。
まとめ
歯周病は、一度進行すると完全に元に戻すことが難しい病気です。しかし逆にいえば、早期からの予防やケアで大きくリスクを減らすことができます。基本は毎日の丁寧な歯磨きと、歯科医院での定期的なチェックとクリーニングを受けることです。「歯をもっと大事にすればよかった」と後悔しないために、今からお口の健康管理を始めましょう。
投稿者: