2025.11.04
こんにちは、abcデンタルクリニックです。
2024年8月に、世界保健機関(WHO)は「砂糖とう蝕(むし歯)」に関する新しいファクトシートを公開しました。これは、むし歯が依然として世界中で深刻な健康問題であることを改めて示す内容です。私たちの身近にある砂糖が、どれほどお口の健康に影響を与えているのかを理解することがむし歯予防の第一歩となります。
今回は、このWHOの最新情報をもとに、砂糖とう蝕の関係についてご紹介します。
むし歯は「世界で最も多い病気」
WHOによると、むし歯は今も「世界で最も蔓延している非感染性疾患(NCD)」とされています。なんと約25億人がむし歯を抱えており、そのうち永久歯のむし歯がある人は20億人、乳歯にむし歯がある子どもは5億人以上にのぼります。むし歯は命に関わる病気ではないものの、痛みや噛む機能の低下、食事の楽しみの喪失など、生活の質(QOL)を大きく下げる原因になります。しかも一度進行すると自然には治らず、治療を繰り返すうちに歯を失ってしまうことも少なくありません。
むし歯の最大の原因は「遊離糖」
WHOは、むし歯の最も大きな危険因子として「遊離糖」の摂取を挙げています。遊離糖とは、砂糖やはちみつ、シロップ、清涼飲料などに含まれる糖分のことで、食事中だけでなくおやつや飲み物からも多く摂取しているのが現状です。この遊離糖をエネルギー源にしてむし歯菌が酸を作り出し、歯の表面を溶かすことでむし歯が発生します。WHOは、むし歯リスクを減らすために以下の基準を推奨しています。
このように砂糖を控えることは、年齢を問わずむし歯予防の基本です。特に、甘い飲み物を頻繁に摂る習慣は注意が必要です。
社会全体で取り組む砂糖対策
WHOは、むし歯予防を個人の努力だけに任せるのではなく、社会全体で取り組む課題として強調しています。その一例が、砂糖入り飲料への課税などの政策的なアプローチです。こうした取り組みは、砂糖の過剰摂取を抑えるだけでなく、健康への関心を高める効果も期待されています。
さらに、むし歯は貧困層に多いことも指摘されています。歯科治療へのアクセスが難しい地域では、治療が遅れて痛みを我慢したり、歯を失ってしまうこともあります。口の健康は経済的な問題とも深く関係しているのです。
まとめ
日常の中で、甘い飲み物やお菓子を少し減らすだけでも、将来の歯の健康を守る大きな一歩になります。毎日の食生活を見直し、定期的な歯科検診を受けながら、むし歯ゼロを目指していきましょう。
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