2025.11.17
こんにちは、abcデンタルクリニックです。
むし歯予防といえば、歯みがき粉や歯科医院でのフッ素塗布を思い浮かべる方も多いと思います。最近、日本口腔衛生学会が発表した調査で、子どものころに行ったフッ素うがい(フッ化物洗口)の効果が大人になっても続いていることがわかりました。
今回は、この興味深い結果とフッ素の働きについてご紹介します。
フッ素うがいとはどのようなもの?
フッ素うがいとは、フッ化物が入ったうがい薬を使って、毎日または週に数回うがいをするむし歯予防法です。特に学校や園などで集団で行われるケースが多く、日本では1970年代から少しずつ広まりました。フッ素には、歯の表面を強くして酸に溶けにくくする「再石灰化促進効果」があり、初期のむし歯を自然に修復してくれることもあります。そのため、継続して使うことでむし歯の発生をぐっと減らすことができます。
小児期の予防が大人の歯を守る
今回発表された調査では、新潟県弥彦村で長年続けられているフッ素洗口の取り組みをもとに行われました。弥彦村では1970年代から小・中学校でフッ素うがいを実施しており、複数の年代にわたる住民を対象にむし歯の本数を比較したところ、子どものころにフッ素洗口を経験した人は、成人後もむし歯が明らかに少ないことが分かりました。たとえば、小・中学校で9年間フッ素うがいを行っていた世代では、経験のない人よりも平均で2〜3本もむし歯が少ないという結果が出ています。さらに、保育園から中学校まで11年間継続したグループでは、その差がさらに広がっていました。
効果は長期的に持続
この結果は、フッ素うがいの効果がその場限りではなく、大人になってからも歯の健康を支えてくれることを示しています。成長期にしっかりとフッ素に触れることで、歯の表面(エナメル質)が強くなり、その後もむし歯にかかりにくい状態が維持されるのです。また、フッ素洗口は経済的負担が少なく、地域や家庭の状況にかかわらず誰でも取り入れやすい点でも優れています。もちろん、フッ素は子どもだけのものではありません。大人になってからも、フッ素入りの歯みがき粉や歯科医院での塗布などを続けることで、むし歯の再発を防ぎ、歯の寿命を延ばすことができます。
まとめ
子どものころのフッ素うがいは、将来の歯の健康を守る大切な投資です。成長期にしっかりと予防を行うことで、大人になっても強い歯を維持できることが明らかになりました。お子さんのむし歯予防にフッ素うがいを取り入れるとともに、大人の方もフッ素ケアを続けていきましょう。投稿者:
